「有給休暇」の扱い:労働基準法

「有給休暇」の扱い:労働基準法

<有給休暇・労働基準法>

 

有給休暇とは、正式には、年次有給休暇といいます。

 

労働基準法に定められている、労働者の主要な権利の1つです。

 

使用者は、雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し、全所定労働日の8割以上出勤した労働者に対して、最低10日の年次有給休暇を与えなければなりません

 

この規定は、いわゆるパートタイム労働者についても、同様に適用しなければなりません。

 

◆ パートタイム労働者についても同様に扱うのは上記の通りですが、労働時間がフルタイム労働者に比べて少ない場合は、具体的には、週30時間に満たない場合には、付与される有給休暇の日数は、フルタイムの人に比べて少なくなります。

 

◆ 年次有給休暇の付与日数は、勤続年数が増えるにつれて多くなり、最終的に、20日が最高です。

 

どんなに長く勤務しても、20日が最高です。

 

ただし、会社が独自に20日以上の有給休暇を与えることは、もちろん、労働基準法上、何の問題もありません。

 

なぜなら、これは労働者が得する事柄だからです。

 

年次有給休暇の取得時季(いつ有給を使うか)については、労働者に時季指定権があります

 

これは自由に指定できます。

 

原則として。

 

というのも、指定時季が事業の正常な運営を妨げるような場合は、会社に休暇時季の変更権が認められています

 

つまり、その時季に有給を使われたのでは事業の正常な運営を妨げられるという合理的な理由があるケースでは、「ちょっと待った。別の時季にずらしてくれ」と会社は労働者に要求できることになっています。

 

実際のところ、労働者のほとんどがまとめて一斉に有給を行使したら、会社はたまったものではありません。

 

労働基準法は、立場の弱い労働者を守るための法律ですが、そこまで会社側を抑圧するわけにはいかないでしょう。

 

年次有給休暇の請求権は、労働基準法第115条の規定により、2年間で時効になり、消滅します

 

◆ 年次有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額や精皆勤手当及び賞与の算定などに際して、欠勤として取り扱うなどの不利益な取扱いはしないようにしなければなりません。

 

これは当たり前のことですが、こんな規定があるということは、こういうことをしている会社が数多くあることの証拠でもあります。

 

◆ 年次有給休暇取得中の賃金については、就業規則その他に定めるものの規定に基づき、平均賃金または所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金を支払わなければなりません。

 

つまり、ごく普通に働いたのと同じ額を支払え、ということです。

 

ただし、過半数労働組合または労働者の過半数代表者との書面による協定により、健康保険法の標準報酬日額に相当する金額を支払う旨の定めをしたときは、これを支払わなければなりません。

 

◆ 労働基準法は、年次有給休暇の付与を1日単位としています。

 

したがって、労働者が半日単位で請求しても、これに応じる法的義務はありません。

 

ただし、請求に応じて半日単位で与えることはできます。

 

それは企業の裁量に任せられていることです。

 

労働者の不利にならないことなので、こういうことは自由にできます。

 

労働者が、取得した有給付与日をすべて使い切らずに残した場合、これを1日いくらという形で会社が買い上げることは、違法行為になります

 

ただし、法定の有給付与日を上回る分、つまり、会社が独自に付与した有給休暇が残った場合は、これを会社が買い取ることには何の問題もありません。

 

自由です。

 

なぜなら、これは労働者に有利な事柄だからです。

 

もしも法定の有給付与日を買い取ってもかまわないことになると、せっかくの有給を使わないケースが続発する恐れがあり、それでは、労働者のリフレッシュ・疲労回復を目的にした年次有給休暇制度が台無しになってしまいます。

 

だから、法定の休暇は買い取り不可、独自の有給は買い取り可、となっているのです。