最低賃金法:「医師」の場合

最低賃金法:「医師」の場合

<最低賃金法・医師>

 

医師は、その「聖職者」的イメージとは違って、当然のことながら、労働者であり、労働基準法や最低賃金法が適用されます

 

たとえば、平成10年8月、関西医大病院で、研修医過労死事件が発生しました。

 

この研修医は、最低賃金を下回る月額6万円の賃金で働かされていたのです。

 

この事件に対し、研修医の両親は過労死裁判を起こし、平成13 年8 月30 日、大阪地裁支部は過労死として認め、これまで存在があいまいであった研修医を「労働者」であるとの司法判断を下したのです。

 

「労働者」である以上、1日8時間、週40時間の法定労働時間の適用を受け、賃金に関しても最低賃金法に基づく正当な賃金を受け取る権利があります。

 

一昔前までは、たとえ研修医時代は貧しくとも、将来充分に元が取れるのだから、という医師の世界における暗黙の了解のようなものが存在していたかもしれませんが、現状は、かなり厳しくなっているようです。

 

◆ 医師の給与は、イメージとしてはそうとう高額のようですが、医師所得と一般労働者所得の格差は、年々縮小しています

 

平成13年の人事院による民間給与実態調査では、勤務医の場合76万8380円(平均年齢38.4歳)で、前年の82万1726円(同38.6歳)と比べ、5万3346円、6.5%の大幅減となっています。

 

また、日医総研が発表した開業医の月給(可処分所得)は、有床診療所の場合75万、無床診療所の場合94万2千円となっており、思ったほどは高くないのが実状です。

 

つまり、医師が高給取りというのは、一部の美容形成外科医などによって作られたイメージなのです。

 

上記の研修医などは、最低賃金法に基づき国が定めた最低賃金以下であり、明らかに不当な賃金慣行が行われているのです。