労働基準法:「残業」・年間の上限

労働基準法:「残業」・年間の上限

<労働基準法・残業・年間>

 

労働基準法によると、法定労働時間を超えて働かせるときは、労使間であらかじめ残業時間の協定(36協定・さぶろくきょうてい)を結び、労働基準監督署に届ける必要があります。

 

そもそも残業は例外とみなされており、厚労省が定めた残業限度の基準に従わなければなりません。

 

企業が特別の事情で基準を超えて残業させる場合には、労使で特別条項付き協定を結ばなければなりませんが、これまで期間の制限はありませんでした。

 

◆ 年間の超過期間を6ヶ月以内に(平成16年4月1日から)
厳しい雇用状況で長時間労働がまん延する中、厚生労働省は、1ヵ月45時間以内などと定めている残業の限度基準について、この限度を超えることができる期間を、年間で通算6ヵ月以内と制限するように現行基準を見直しました。

 

通常、残業時間は労使協定(36協定)で決め、年間を含めた限度時間が基準で定められていますが、特例措置によって、実質的に無制限に残業ができるようになっていました。

 

厚労省は、これが過労死の温床ともされる恒常的な長時間労働の原因になっているとして、一定の歯止めをかけるため基準の見直しに踏み切ったわけです。

 

労働基準法によると、1日8時間、週40時間の法定労働時間を超えて働く場合、労使で協定すれば残業することができる、としています。

 

その場合、労基法で大臣が定めることができる「時間外労働の限度に関する基準」では、一週間で15時間、3ヵ月で120時間などと限度時間を定めています。

 

これ以上の残業が必要な場合、労使で「特別条項」付きの協定を結べば、実質的に、無制限な残業が可能となっていたわけです。

 

現行では、限度時間を超えて時間外労働ができるのは特別の事情が生じたときとしてきましたが、実際には、恒常的に特別条項付きの労使協定に基づく残業が多いため、今回、「臨時的なものに限る」との条件を加えたわけです。

 

臨時的なものとは、一時的に残業する必要があり、通算で半年を超えない業務のことです。

 

この基準を満たしていない場合、労働基準監督署が改善を促す指導や助言を行うことになります。

 

もっとも、この基準に罰則はないのですが、厚労省は指導の根拠としており、「際限なく働かせることができる状況では、労働者の健康を守ることはできない。労使とも最低限の働くルールとして守ってほしい」としています。

 

いずれにしても、これまでは、とりあえずの規定はあっても、実質的には、年間残業時間は無制限だったのですが、今回、年間残業時間に制限を加えることになったわけです。